Shrewsbury School

interview 13

留学を志した時期はいつ頃ですか

父の仕事の関係で海外生活が長かったが、一人で新しい土地に行ってみたいという気持ちがあり、高校受験前から留学は志していた。派遣留学の制度は慶應義塾湘南藤沢高校への入学志望の理由の一つでもあったため、入学してすぐ情報収集を始めた。

留学を振り返って

留学生活は最初から、良い意味で期待を裏切られてばかりで、想像をはるかに越えた濃い一年間だった。
学校生活では、学習意欲の高い同年代の仲間に刺激されながら勉学に励んだこと、日本では聞いたこともなかったスポーツに挑戦して試合などにも出させてもらえたこと、これから先もずっと付き合って行くと思う尊敬できる友人達に出会えたこと、時にはびっくりする様なShrewsbury Schoolの伝統に触れられたことなど、語りたいことを挙げていくと枚挙にいとまがないほどである。
特に英文学の授業では他の生徒と比べて知識がない分、意見を述べることや、ディスカッションについていくのが大変で、さらには課題も多く、毎週エッセイの課題に追われる日々だった。しかし、その分毎授業新たに学ぶことが多く、一緒に取り組んでいた仲間も皆助けてくれて、たった40分の授業もいつも充実していた。大変であったからこそ、日本の高校ではなかなか取り組めない科目で、イギリス人でも大変と言われる英文学に挑戦してよかったと思っている。
一年にも至らない10ヶ月という期間で、個性ある多彩な友人達に出会えたことも留学生活の中での私にとっての大きな成果だと感じている。自然科学が大好きな友人は学校にいる間にコケについて、博士号レベルと言われるほどの研究をしていたり、英国のU19のライフルチームの一員として南アフリカにツアーに行っている子がいたり、動物学を学びたいと考えている友人は会うたびに動物について情熱的に語ってくれたりと本当に個性豊かな仲間に囲まれて生活をしていた。もちろん全員とは言わないが、私の周りには自分が何が好きで、将来的に何をやっていきたいか、わかっている人が多いように感じた。そんな友人たちとの関わりは私自身にとっても、刺激となり、勉学から様々な活動など、色々なことにおいて積極的な姿勢を持つようになれた要因の一つであると感じている。
学校生活以外では、ガーディアン(保護者)として長期休暇やコーチウィークエンド(三週間に一度ある週末)の度にお世話になったホストファミリー、そしてその村の近所の方やホストファミリーの親戚などとも関わることができた。寮生活が主だったので実際にホストファミリーと一緒に生活をした期間は長くはないのだが、滞在していた時はShrewsbury Schoolでの学校生活から日本での生活、私自身の家族のこと、将来の目標など、なんでも気軽に話をすることができ、いつも温かく受け入れてくれる老夫婦の二人だった。
帰国直後の今、振り返ってみると不思議と楽しいことばかりしか出てこない。しかし長いようであっという間だった10ヶ月の間、思うようにいかないこと、悩んでしまうことは沢山あった。色々あった中であえて頭を悩ましたことを挙げるとすれば、やはり人間関係かと思う。差別とまでは言わないが、人種の区別というのがやはりあった。人種の問題は自分ではどうしようにも変えられないことであるからこそ、とても辛かった時期がある。これらは結局、根本的な問題は私には解決できなく、それを乗り越えたと言えずなんだか腑に落ちない感じではあるが、その様なことと上手く付き合っていくことを学んだと今は考えられている。そのようなこともあったが、一緒にいて心地良い、一生の友達と思える友人が作れたことはかけがえのない宝物である。

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課外活動について

・スポーツ
(Netball・Girls Football・Novice Rowing)
日本の部活動と違って学期毎にスポーツを選び、週1、2回楽しむ形で取り組んでいた。
イギリスで人気のRowing(ボート漕ぎ)とNetball(ネットボール)では大会、他校との練習試合などに出させてもらうこともあった。今までやったことのないものに挑戦しよう、と思って選んだネットボールとボート漕ぎは完全にゼロからのスタートで、わからないことばかりだったが、ネットボールではチームのMost Improved Playerとして表彰していただくこともあり、楽しんで活動していた。

・聖歌隊 Chapel Choir
毎週日曜日の全校の礼拝で歌うのが主な発表場で、そのために毎週リハーサルをしていた。9月末にはケンブリッジの大学へ賛美歌を披露しに行き、3月初旬には近くの教会へ招待されて歌いにいくこともあった。一番大きな披露の場はクリスマス前にあるキャロルサービスだった。どんな時もステンドグラスに囲まれた素敵な空間で仲間みんなと歌うのはとても気持ち良い時間だったが、冬休みに入る前の寒い12月にロウソクの灯りで灯された幻想的な雰囲気の中で響いた歌声は今でも忘れない。
賛美歌など今まで歌ったことはなく、歌うのが特別好きだったわけでもなく、ひょんなことがきっかけで聖歌隊に入隊したが、一年間楽しく活動していた。歌うだけの場ではなく良い社交の場でもあり、様々な人たちと関われた活動だった。

・ Beekeeping society
学校の伝統的なミツバチ飼育サークルの一員として、ミツバチについて学んだり、学校内のミツバチの巣箱を観察に行ったり、ミツバチの蝋から光沢剤を作ったりすることを主に、活動をしていた。特別なスーツを着て、ミツバチがぶんぶん飛び交う中で観察をするのには最後まで慣れなかったが、学校でもあまり知られていないこの活動に参加できて、充実した活動をすることができたと感じている。サークルに入るのが義務付けられているのは私の下の学年までなので、同学年はいなく、年下の子達と活動をしていた。Beekeeping Societyは学年を越えた関わりを持てる場ともなり、とても充実していた。

・Shewsy Ambassador
チャリティ精神が根付いていると言われるイギリスだが、やはり学校でもチャリティの活動が充実していた。その中でも古くから行なわれている活動の一つに、Shewsyという活動がある。学校でのイベントなどを通して寄付金を集め、その寄付金でイギリスの中でも貧しいLiverpoolの地域で公民館を経営している。その活動の大使に任命され、実際にShewsyの施設を訪れることや活動を広めるためのイベントの企画などをした。施設に来ている子供達の中には親が逮捕されているだとか、アルコール中毒の親がいるだとか、実親に会ったことがないだとか、本当に想像していた以上に過酷なバックグラウンドを持つ幼い子供たちがいて、先進国であると言われるイギリスのまた違う一面を見られた気がする。施設を訪れた時に実際にやったことと言えば子供と走り回って遊んだこと、裁判を傍聴に行くなどということで、どこまで自分が貢献できたかはわからない。しかしシュルーズベリーに居ただけでは知ることがなかったイギリスの中での違う世界を知るという意味で有意義な活動であったと感じている。

・Chapel Committee
学校の礼拝や宗教に対する意識を改良しよう、という思いで今年度から学校の牧師さんが始めた委員会のようなものである。各寮からの代表の生徒で意見を持ち合ったり、礼拝を運営したり、イベントを企画することをしていた。特にイースター前はキリスト教の大切な時期であることもあり、忙しく活動していた。沢山運営した中で一番達成感のあったものはLenten Supperと呼んだフォーマルな食事会を企画したことである。全校に声かけをして希望制でくるものだったが、100人ほど集まり、みんな正装して食事をし、コースの間にゲストスピーカーに話をしてもらうというものだった。ラグビーの試合などが多い時期だったので男子寮の委員があまりいなかったこともあり、私を含めた数人で、人集め、メニュー決め、席の配置決め、当日の準備、片付け、全てを行った。とても良い夜だった、と後から言ってくれる人も多く成果の得られる企画だったので、とても達成感がある。
私自身は特にキリスト教信者ではないが、今まで知らなかったことを知ることにもつながり、委員会ではキリスト教でない人の意見も反映させたいと、私の意見も尊重してもらえた。
この委員会に入って、寮を代表するという意識、宗教的な知識、そしてさらなる人脈などが得られたと感じている。

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ルームメイトはどのような方でしたか?

半学期毎(3または4週間)に部屋替えがあったが、私は合計3回シングルルーム、2回ダブルルームに入っていた。入寮時の部屋は上級生が主にいる階の一人部屋だった。生活に慣れるという意味でも、情報がもらいにくいという意味でも少し大変だった。寮生活では朝ごはんに一緒に行くことや、ちょっとした時間を一緒に過ごすことから人の輪が作られていくため、自分から話したことのない子のドアをノックするのはとても勇気がいた。二度目の部屋はダブルルームで、イギリス人のルームメイト(10月後半からクリスマス前の期間)は6歳の頃からボーディングスクールで生活をしていた子だったので寮生活は慣れていたようだった。まだ生活に慣れないのもあり、忙しい時期であったのもあり、お互い部屋には寝るだけのため戻るという感じだった。特にお互いの生活に深入りするわけでもなく、迷惑をかけることもなく、干渉し合わない生活だった。
クリスマス明けは一人部屋が続き、その後最後の学期(4月中旬から最終日まで)のルームメイトはRowingでイギリス代表になるかと言われるくらいの素晴らしいスポーツウーマンで、毎週末キャンプや大会に出ていて忙しそうでしたがとても仲良くなれた。6月中は試験シーズンだったので部屋で勉強することが多かったが、合間合間に学校での1日をお互い話したり、一緒にクッキーを焼いたり、紅茶を作って映画を見たりして楽しい時間を過ごした。お互い楽しいことがあっても、辛いことがあっても気軽に話せるような関係で、とても良いルームメイトだった。

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今後の留学生へのアドバイス

第1期、第2期の留学生に話を伺ってから留学したものの、Shrewsbury Schoolでは全てが創造をはるかに超えていて、想像以上に濃い一年間だった。自分は一年しかいないのだ、という気持ちが積極的に様々な活動に参加できた理由だと私は感じている。過ごし方は人それぞれだと思うが、興味があまりなくても活動に参加してみると思わぬ出会いがあるので、積極的に機会を利用して欲しい。
最初は慣れることや勉強についていくのに精一杯かもしれないがソーシャルイベント等には参加することをお勧めする。男女で差はあるように感じたが、女の子は気がついたらみんなそれぞれ人の輪があるような印象を受けた。そしてソーシャルイベント等に行かなければ、違う科目をやっていたりすると全く関わらない人もいるので、面白い人と出会える大切な場であると感じた。
私自身、留学する前は英語でニュースを見たり、ポッドキャストを聞いたりしていた。英語力に自信はあったが、日常全てが急に英語になると脳がびっくりしてしまったようで最初の頃は疲れ切っていたので、日本にいると難しいことではあるけれど英語を使うように過ごすと良いと思う。
勉強面ではみんなが中等教育修了試験(GCSE)を終えてきているので、もし余裕があれば、教材が手に入らなくてもインターネット等で自分の履修する科目の内容を確認しておくと良いと思う。
留学生は中国人が多く、日本から来たというと珍しがられて注目の的になることが多かった。日本から来た〇〇です、と遠慮せずにどんどんアピールしたからこそ巡り会えた活動や友人がいたので、自分は何をやってるのだろうか、と虚しくなることもあるかもしれないが、徐々にかっこいい日本人がいるぞ!と思ってもらえるようになるので積極的に自己アピールをして良いと思う。
Shrewsbury Schoolで強く感じたことは、助けを求めさえすればいくらでも手を差し伸べてくれるということ。逆に自分から何も言わなければ、大丈夫なのだと思われて何も助けは来ない環境である。先生には会いに行く時間がなくてもメールですぐ連絡して良いので、授業内容がわからなかっただとか、困っていることがあったら遠慮せずに連絡すると良いと思う。