The Taft School

interview 12

留学を振り返って

勉強、課外活動、ソーシャルライフのどの分野においても、思い通りにならないことはたくさんありました。思うように良い点数がとれない、入りたかったチームに入れるほど経験がない、どんな人でもすぐsmall talkをすることができない。最初の半年は思い通りにならないことに対して、かなりショックを受けていました。特に、日本に一時帰国した際は自分のcomfort zoneにまた戻ってしまい、多少停滞を感じました。ですが、2学期に授業を全コマ入れることによって、自分の限界を試しました。そこでも試行錯誤の繰り返しでしたが、2学期は自分が大いに変わり始めた時期だと思いました。
留学をすることによって、たくさん挑戦してたくさん壁にぶつかって、comfort zone(自分の普段の行動範囲)から離れることができました。挫折の度に、またcomfort zoneに戻りたいと思ったこともありましたが、それでも一年間という限られた時間の中でどのように活動するのがよいかを常に考えさせられました。また、家族と離れて寮生活を送っていたので、毎日家族と過ごすことの大切さ、そして自分で物事をこなす大切さも学びました。

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課外活動について

秋学期は、以前からずっとやってみたかったVolleyballにしました。初心者だったので、Thirds Volleyball (三軍バレーボール)に入りました。チームのほとんどが下級生でしたが、9人という少人数だったので、練習や試合を積み重ね仲良くなりました。
冬は、Intramural Squash(レク・スカッシュ)にしました。公式試合はなく、週4日に1時間スカッシュをするので、勉強や音楽に取り組む時間がたくさんできました。学年も出身地もバラバラな6人でしたが、和気あいあいと練習し、とても仲良くなりました。
私にとって、春学期は大きな挑戦となりました。Taft派遣留学生1期生の方からCrew(ボート部)で苦しいけど楽しい、達成感のある経験をしたと聞いていたので、留学前から必ずCrewに入りたいと思っていました。特にスポーツが得意わけでもなく、また小柄なので、Coxswainに挑戦しましたが、人数調整のためチームに入ることはできませんでした。Sailing(ヨット部)に参加しましたが、自分には合っていないと気づき、すぐにStage Crewで劇の製作に携わりました。拘束時間はスポーツチームより少なかったため、本来やりたかった音楽の練習時間がたくさんとれました。スポーツが主流で、音楽はむしろ少数派であるこの学校に溶け込もうと、私は本来好きな音楽から遠ざかり無理をしてスポーツチームに挑戦していました。もちろん新しいものに挑戦するのは大切ですが、自分が本当にやりたいことを押し切ってまでやるべきではないということを学びました。今ではスポーツが好きになりましたし、また限られた環境の中でも自分を貫いていける自信を持ちました。

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寮の食事について

全校生徒、そして教職員も含めて、dining hall(食堂)でビュッフェ式に食べています。
朝ごはんは毎日同じようなものが出ていましたが、週に何回か好きな具材を選んでオムレツを作ってくれるomelet stationあり、ベリーなど値段が高いフルーツを置いてくれるときもありました。お昼は、サラダバー、ピザ・パスタ、日替わりメニュー、デザート、スープ、サンドイッチなど、たくさんの選択肢があり、決して飽きることはありませんでした。夕飯はお昼より少し種類が少なめになってしまい、飽きる日がでてきますが、十分に美味しい料理がでてきました。また、秋学期を中心にsit down dinnerといって、女子はドレス、男子はスーツを着て、ランダムに選ばれた生徒たちと教員一人のテーブルで夕飯を食べます。いつもの夕飯とは違い、前菜からメイン、そして最後にデザートというフォーマルな食事でした。食事中はお互いに自己紹介をしたり、何かについて話したりするので、知らない人と話す技術が身につきました。

interview 12

授業について

日本では講義形式が多く、また必須教科を中心とされ、科目数が多いです。しかし、タフトでは少人数制のクラスを特徴としており、ディスカッションで授業を進めます。ディスカッションをするのに必要な情報収集・下調べは、事前に宿題として出されます。また、授業態度が成績にかなり関与しているので、発言を控えることはありませんでした。
例えば、AP European Historyというクラスでは、ディスカッション問題に重点を置いて、毎日教科書を10ページ読みます。ディスカッションでは、各自の意見をもとめるのではなく、歴史の流れをクラスで確認し、テーマごとにそこから時代を経てどのように変わるかを見ます。女性の立場、階級層によって異なる権利、政府と国民の関係性など、今日の時事問題ともつなげられるテーマを学習しました。
また、アメリカ文学の授業では、毎日1章か2章読み、興味深いと思ったものについて(先生も含めた)9人で話し合いました。本を読み終わるたびに大きな課題がだされ、大体の場合はその本で自分が取り上げたいテーマについて、より深く追求し、エッセイを書きます。また、自分の趣旨を支えるevidenceとして、研究レポートや別の本との対比なども行い、女子高の30枚創作に似たように本格的です。
日本で外国語を学ぶ際、文法に重点を置き、オーラルはサプリメント程度に行っています。しかし、タフトでは、とにかく話すことを重要視しており、私がとっていた中級スペイン語クラスは、終始スペイン語で行われていました。中学の時にスペイン語を学んでいたのですが、大人数制のクラスだったので、話すことよりも文法を学び、いざネイティブと会話をするとなると困ってしましました。しかし、ひたすらスペイン語が飛び交う少人数制のクラスでは、自信がなくてもとにかく話すスキルをつけることができました。スペイン語という言語だけではなく、映画をみたり本を読んだり、スペイン語圏の文化や歴史的・時事問題について学び、スペイン語をより深く理解しました。
女子高の数学の授業では、教科書に沿って先生が前で講義し、生徒は個人で問題集を解いていきます。しかし、タフトでは、先生が発展問題を出し、グループでどのようにして解くかを一緒に考えます。授業では軽く公式を学び、そしてグループワークを中心に問題を解いていきます。また、毎晩宿題として問題が出される、わからないまま授業が進むことはありません。
また、宿題がHaikuというウェブページに載っていたり、グーグルドライブで宿題を提出したりと、パソコンでの作業が多いです。

宿題・課題について

スペイン語:教科書にある記事を読んだり、リスニング問題があったりと毎日バリエーションがありました。中級レベルだったので宿題の量は決して多くなかったのですが、グーグルドライブに載っているパワーポイントをみて復習をすることが多かったです。また、いつでもExtra Helpを頼むことができたので、しっかり授業についていくことができます。
アメリカ文学:毎晩1-3章読み、たまにReading Responseという感想文を書きました。また、本が終わると課題がだされ、それに取り組みます。なにをどのように書けばいいのかわからないときは、Extra Helpが設けられるので、行き詰ることはありません。
ミクロ経済学:毎晩教科書を1章読むだけでした。
スピーチ:課題を出され、発表が終わると次の課題が出されたので、スピーチを書くのは2週間に一回でした。毎回違う課題がだされるので、それに沿ってどのようなプレゼンテーションをすればよいのかをしっかり構想するために、かき上げるのに3日ほど使いました。
音楽:モーツァルトのフルートソロを任されていたので、丁寧に練習しました。また、コンサート(memorial service, Christmas concert, Graduation concert, Gallery Opening Concertなど)がたくさんあったので、そのたびには毎日練習時間を作りました。
ヨーロッパ史:毎晩教科書を10ページ読み、ディスカッション問題に沿ってノートをとります。また、資料を読んだり、チャートを記入したりなど、とにかく量が多かったです。毎日1-3時間かかりましたが、その分だけたくさん学び、ディスカッションで様々な時代や出来事をつなげることができました。
数学:毎晩何問か問題がだされたので、仲がいい友達たちと一緒に宿題をやりました。グループワークは苦手だったのですが、このクラスを経て克服することができました。

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今後の留学生へのアドバイス

勉強面においては特に準備することはありませんが、留学先で何をしたいか(ex.ボランティアをしたい、新しいスポーツを始めたい、straight A’sをとりたい、各国の友達を作りたい)を予め決めて、書き留めておいた方が良いです。すべてうまくいくことはありませんが、留学前の自分と比較してみると、一年間の成長を改めて実感することができます。
ヘルプが必要な時は必ず声をあげてください。周りの友達、先生、親―とにかくいろんな人がサポートしてくれます。
また、海外に行くと、「日本人」としてのアイデンティティを背負って生活するので、日本について学んでおいた方が良いです。よく「日本とアメリカとではどう違う?」という質問を多方面から投げかけられるので、しっかりと答えられるように日ごろから自分の文化や生活を意識することが大切です。茶道、琴・三味線、着物、習字などの伝統を習っていれば、素晴らしいパフォーマンスになります。
最後に、留学するにおいて、新しい文化や価値観を吸収するのはとても大事です。しかしそれによって自分の生まれ育った文化や価値観を強制的に剥がすことはしないでください。二つの文化がどのようにして共存できるのか、自分なりの答えが出ると思います。ぜひ自分のcomfort zoneから抜け出す機会にしてください。泣いても笑っても、帰ってくる時には素晴らしく濃い一年だったと振り返られるはずです。