Winchester College

interview 5

どのようなことを期待して渡航しましたか?

世界からの英才たちが集まり、一人一人が真面目かつ熱心にそれぞれのことに集中しているようなイメージでした。また、Oxford University, Cambridge Universityへの進学数が多いことからも、ハイレベルな授業が行われていると思いました。

留学を振り返って

総合的に見て、とても満足のいく留学生活が送れました。良かった点は、自由な時間が多くそれぞれのやりたいことができた点です。授業が終わると、それぞれがスポーツや音楽などに時間を注ぎます。また夜には頻繁に校内でレクチャーが行われ、自由に視聴できました。寮生活のため、夜にかけて様々なことに参加できました。そして夜に2時間ほどToyetimeと呼ばれる勉強時間があり、この間に宿題をこなします。もちろん朝起きて勉強することも可能ですし、高2は消灯時間が23:00(23:15の時もあり)なので自由に勉強もできました。寮生活の最大のメリットは信頼しあえる友達でしょう。Good morningに始まりGood nightで終わる、四六時中友達と生活するのは他ではできない貴重な体験でした。不便だった点は、薬関連を寮長に預けないといけないことでした。しかし校内のMedical centreはしっかりとしており、 病気の際も安心です。処方箋も手配してくれます。

課外活動について

ゴルフ
校内にゴルフ場、18ホールおよび練習場があります。サークルのように活動しており、高2,3年生は自分の都合に合わせて自由に参加できました。ある程度プレイ出来れば、いつでもコースに出られます。

ジム、ランニングコース、スポーツ
自由に使えるジムがあり、頻繁に利用しておりました。寮の友達と校内の丘などでランニングすることもしばしばありました。その他スポーツを行う環境もしっかり整っておりました。

フルート
個人レッスンを受講、時折ソロをコンサートで吹いていました。人前での演奏の練習として、informal concertという小規模な演奏会も頻繁にありました。

数学クラブ
とても高度な数学を扱いました。一時期は本に沿って、ディリクレの算術級数定理の証明を試みました。ある時は一般相対性理論の碁盤となる数学を学ぶため、テンソルなどといった高校範囲外の内容も扱いました。

物理クラブ
毎週月曜日に物理オリンピックなどに向けた物理を学びました。

ボランティア
何かひとつの定期的なボランティア活動は必須で、私は毎週介護施設を訪ねて1対1で会話をしたり、イベントの手伝いをしました。イギリスの文化をさらに体感できました。種類は豊富で、希望に応じて変更可能です。

他校との共同プロジェクト
様々な機会に他校を訪れ、共同のプロジェクトを行うことがありました。例えばペアを組んで化学の共同研究を行ったり、数学者のレクチャーを聞きに行ったこともありました。この他、スポーツなどでも他校との関わりに積極的です。

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短期・長期休暇について

短期、長期休暇ともにホームステイをしていました。様々な所に連れて行っていただいたり、ホームステイ先の人と様々な会話ができました。特に先日のイギリスのEU離脱時にについては、異なるホームステイ先で意見が異なり興味深い話ができました。 ホームステイの様子としては、幾つかの場所に泊まりましたがいずれも親切な家庭で、休暇中はとてもお世話になりました。お手伝いをしたりする上で、イギリスの家庭生活を体験できました。また、2学期の中間休みには、同じく塾高から派遣された留学生とヨーク大学の廣畑教授(慶應卒)を訪ねました。その間は二人で宿に泊まり、ヨーク周辺の街を観光しました。

授業について

一番の違いは少人数授業であることで、基本的に8-12人ほどのクラスで授業が行われます。この学年では完全選択制で3科目(統一試験Pre-Uの科目)を始めに選択し、その3科目およびDivisionと呼ばれるディベート主体の授業を一年間履修します(空き時間は自由です)。Divisionの内容は完全に教師の自由で、それぞれのクラスで異なることを学びます。面白いのは授業の一コマが35分であることで、学校側の狙いは生徒の集中力を保つためだそうです。私はFurther Mathematics, Physics, Chemistryの3科目を履修しました。レベルでクラス分けされており、以下の記述は理系3科目ともに上位クラスでの内容です。

授業の進め方の違いとして、生徒が自由に質問できることがあります。志木校の48人クラスではなかなか授業中に質問する生徒はいませんが、Winchester Collegeでは何か疑問があればすぐに質問します。また、Divisionにおけるディベートに関しては、少人数でなければ成り立ちません。そのために積極的に会話に参加し、自分の意見を持つことが大切でした。

イギリスの理系科目は「広く浅く」という印象がありました。例えば数学において日本では大学範囲となるものがシラバスに含まれていますが、難しい応用問題は見受けられません。また教師によってはシラバス以上のことを教えてくれることもありました。例えば物理では非同次二階微分方程式からの数学的考察や、重積分を用いた考え方などを学びました。

理系授業の総合的なレベルとしては、比較的容易であったと思います。先述の通り、校内の試験および統一試験(Pre-U)においては応用問題が少ないからです。ただし英語で理系科目を履修する上で、時々ボキャブラリーに苦戦したこともありました。例えばsulphuric acidとsulphurous acidや、perchlorate, chlorate, chlorite, hypochloriteなどというオキソ酸における次亜、亜、過などの変化に苦戦しました。

数学ではCambridge Universityの入試に必要なSTEP試験1を受験しましたが、これは日本の大学入試でいう標準レベルの問題を扱っており、統一試験よりは難しいです。STEP2,3となると応用発展レベルの問題が出題されますが誘導のある問題が多く、日本の大学受験の最高峰よりも簡単な印象でした。

また、上のクラスでは科学オリンピックへの参加が視野にあり、数学、物理、化学オリンピック予選に出場しました。いずれも思考力を試す問題が多く、とても面白かったです。そもそも国籍によりイギリス代表になることはできませんが、数学では本選に進み、さらに手強い問題に挑むこともできました。

今後の留学生へのアドバイス

理系であれば、選択する科目を全範囲予習しておくことを勧めます。日本の3年分を一通り予習しておけば、あとは日本のカリキュラム外を勉強するだけなので非常に楽になります。何度も言うように、問題は簡単なので基礎さえわかれば大丈夫です。ただし英語での用語は予習しておきましょう。初めはtitration of sodium hydroxide using standard solution of hydrochloric acidと聞いてもわからず、基本的な薬品名や法則名に苦戦しました。

文系なら尚更ですが、文理問はずDivisionのために英語力は大切です。Writingの練習をしておかないと、エッセイを書くのに時間がかかってしまいます。また、自分の意見を英語で論議するには練習が必要でしょう。ある程度の世界の政治や主要な問題についてはニュースなどで知っておきましょう。当然、日本について詳しく話せることを向こうは期待しています。

留学生活全般で、何よりも大切なのは楽しもうと思うことです。積極的に自分のやりたいことをやり、充実した生活を送るのが理想です。まずは今やっていることを楽しむことを優先しましょう。
寮での生活は、友達がいるからこそ充実したものになります。コミュニケーションを積極的に取れる人が望ましいです。また昼食は教師と同じテーブルで共にします。日常の場で教師と話すのは新鮮で、いい経験になると思います。

音楽ができると、一気に選択肢が広がります。実際、学内の5人に2人がピアノが弾けると聞きましたし、コンサートで演奏させてもらえるのは非常に良い経験になります。また、スポーツもたくさんの種類があります。メジャーなサッカーやテニス、イギリスのクリケット、他に柔道もありました。どの生徒も、学業に加えて音楽かスポーツに優れているようでした。

時間があれば、積極的にレクチャーに参加することを勧めます。レクチャーの種類は幅広く、歴史、文学、芸術から理系のレクチャーまで、誰でも楽しめる内容になっています。同時に、コンサートも数多く開かれています。チャリティーコンサートであったり、純粋な演奏会など多岐にわたり、時にはプロのゲストがいらっしゃることもあります。

これらは他ではなかなか体験できません。この話により、一人でも多くの後輩が興味を持ってくれれば幸いです。この留学に少しでも興味があれば、チャレンジしてみてください。留学して後悔することなど、ありえません。その為に、今からでも本気で何かに打ち込んでみてください。その精神を学校は求めており、留学後になって「本当に留学できてよかった」と思えることを期待しております。 Keep busy at all times!